大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和27(れ)197 判決

主 文

原判決を破棄する。

原判決中物価統制令違反の事実について、被告人を免訴する。

被告人を懲役三月に処する。

但し、この裁判確定の日から二年間右刑の執行を猶予する。

理 由

被告人A弁護人林徹の上告趣意(後記)第二点について。

所論は、原判決中贈賄の所為を認定した点について憲法三一条違反がありまた最

高裁判所の判例に違反すると主張するのであるが、その実質は単に法令違反、事実

誤認又は量刑不当を主張するに帰するのであつて、適法な上告理由にあたらない。

そして論旨の主張する原判決の判示第五の事実はこれを認める証拠がないという点

について、記録により原判決挙示の証拠を詳細に検討してみると、第一審公判廷に

おける共同被告人Bの供述(第二回第六回)同Cの供述(第六回)と共に被告人の

同第六回公判調書記載の供述を合せ考えれば、被告人の贈賄の事実は優に認定する

ことができる。なお共同被告人Bの職務権限について原判決の判示するところは正

当であつて、これを認め得ること同被告人弁護人上告趣意第一点について説明する

とおりである。さらに論旨は原判決が第一審の検察官の冒頭陳述における公判請求

書記載の事実を被告人が認めたことを証拠としたことをもつて採証の法則に違反し

また最高裁判所の判例に違反すると非難するが、判例を具体的に挙げていないので

あるからこれを判断するに由なく適法な上告理由と認められない。

同第一点及び第三点について。所論はいずれも刑訴四〇五条の上告理由に当らな

い。しかし職権で調査すると、被告人に対する公訴事実中、物価統制令違反の事実

については、昭和二七年政令一一七号大赦令一条八七号により大赦があつたところ、

原判決は右事実を贈賄の判示事実と併合罪の関係として処断しているので、刑訴施

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行法三条の二、二条、刑訴四一一条五号、旧刑訴四四八条、三六三条三号により原

判決を破棄し、物価統制令違反の事実について被告人を免訴し、原判決の確定した

贈賄の事実について法令を適用すると、右は刑法一九八条、六〇条に該当するとこ

ろ、所定刑中懲役刑を選択しその刑期範囲内において被告人を懲役三月に処し、犯

情刑の執行を猶予するのを相当と認め同法二五条を適用してこの裁判確定の日から

二年間右刑の執行を猶予することとする。

この判決は、裁判官全員一致の意見である。

検察官 神山欣治関与

昭和二八年九月二二日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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